山小屋日記9

常念岳の熊情報です。

今シーズンは特に目撃情報が多くテント場でも小屋番に目撃されていたのですが、本日小屋の目と鼻の先、登山道から20m足らずの所まで近づいて来ました。

支配人と二人でその場は追い払ったのですが、この個体はサイレン・ホイッスル等の鳴り物に全く反応せず、人の姿を見ても恐れる気配はありませんでした。恐らく一般のクマ鈴なども効果がないと思われます。

山での熊対策はまず出会わない事が基本で、そのためにクマ鈴などで人間の存在を知らせ、熊の方に先に逃げてもらいます。しかしこの個体は人を恐れていないので、登山道でバッタリ出会ってしまう可能性があります。

もし登山道で熊に出会ってしまった場合、決して大声で威嚇したり刺激したりしないで下さい。

熊は本来臆病な性格で、余程のことがない限り向こうから襲ってくることはありません。

引き返せるならその場で引き返すか、もしくは離れて行くのを待っていてあげてください。

また写真を撮ろうと近づいたり餌をあげたりする行為も大変危険であり、人を恐れなくなる原因となるので避けてください。

自然界で野生動物と人間が関わることは自然ではありません。

Nature Adventure - 日本山岳ガイド協会 JMGA公式登山ガイド 清水研吾 ー

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